日本での滞在中、奥山さんの映画の試写会に伺う機会がありました。2023年6月に対談して以来の再会でした。当時、ちょうど対談の中で新しいフィールドに向かっているという話をされている頃だったように思います。写真家から映画監督へ。大胆不敵でいいですね。奥山監督のAT THE BENCHは5つの短編から成り立つオムニバス長編作品です。作品を観て想うことは、やはり言葉が面白いということ。印象に残るような、考えさせられるような、そして笑えてくるような。そんな言葉がたくさん出てきます。このポイントは対談した時にも感じた記憶です。

ひとつのベンチを舞台とした毛色の違う会話劇が軽快に5つ続くのですが、さまざまな方々がそれぞれに共感できるポイントがあるように思います。今日の僕の気分で言うならば、3編、4編が好きでした。奥山さんと対談をして、そして奥山監督の映画を見終えて思うことは、どこか少し似ているような気がするということです。敢えて強引に言葉にすると、、おそらく自分と向き合っている時間が極端に長いところや、チャレンジや進化に対して果敢に挑むということなのかもしれません。

映画 「AT THE BENCH」そしてその中に出てくる言葉たち、素敵なので是非映画館へ足を運んでみてほしい。

文章:大迫傑

写真:足立公平