ボストンマラソンを走り終えた大迫傑は、以前から企画していた*Saltz presents『Sunset Jokers』という3 days イベントを発表した。抽選のための募集期間はたったの48時間。タイミング良くインスタストーリーからアクセスされた方々から約400名の応募があり、そのうちの90名の当選者と共に鎌倉(海)、高尾(山)、外苑(街)で数キロ走った。以前から繋がりのある3箇所のレストラン(EENY, My Home, malca)でオリジナルのクラフトビールを飲みながら、ランナーたちと近距離かつ自由なコミュニケーションを楽しんでいた。
(Fearturing musicians, henry works, TAIHEI, Shoei, Hiroki Goto)
みんなが東京マラソンに出走するとばかり思っている中、出走するレースはボストンマラソン。アメリカで1分1秒を争うレースに挑んでいたかと思うと、次は日本でみんなとお喋りしながらの緩すぎるラン。4月末イベントでたくさん飲んだかと思うと5月にすぐに禁酒。ロードを練習してるかと思えば、次の瞬間はトレイルを駆け抜ける。毎度、予測不能でエクストリームである。そこに大迫傑の魅力が存在していると思う。
どういうきっかけやタイミングで都度の判断をしているのですか。と尋ねると
「誰かに言われてアクションすることはほぼなく、ただそういう風が吹くんです。その時が動く時ですね。」
3日間のイベントが終わる頃、大迫は静かに言う。
「皆さんと過ごすことが可能な時期(レース直後)に楽しい空間を作ることができて良かったと感じている。次へのエネルギーにもなります。みんなにとっても良い時間になったことを願ってます。当然のことですが、誰にでもアップダウンがあるし、楽しい瞬間の連続や難しい場面での判断に直面したりします。今より前に進むためにはON(トレーニングやレース)やOFF(リカバリーや休憩)を自分のペースで自分らしくポジティブに行き来することは大事ですし、きっとそれが次への原動力となると思う」
今回のイベントは大迫傑ならではのエネルギーの吸い込み方のように感じた。夏の大舞台で力強いレースをするために必要不可欠な時間だったと想像する。ここから大迫傑はパリオリンピックへと向かう。日本を代表して世界と闘うプロランナー大迫傑に声が枯れるまで応援をしたいと思う。
*Saltzは、大迫傑、村田諒、足立公平、3人の”Runner “によるCreative Collective です。
機会や空間やプロダクトを企画したりプロデュースしたりするチームの総称です。
文章:足立公平
写真:金子桃子