紹介
篠塚 環(Studio SAN)
幼少期から母親の影響で手芸や手を動かす楽しみを覚え、服飾系の大学へ進学。就職後も趣味として続けていたことが高じて、今春から『Studio SAN』という屋号で刺繍をはじめとするものづくりのフィールドでフリーの作家として活動開始。海外の旅先で見つけたパッケージやノスタルジックなロゴなど、心くすぐられるデザインと様々な手芸スタイルをミックスしたアート性溢れるオリジナル作品を創り出す。
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なぜ刺繍が好き?魅力とは。
数ある針仕事の中で、なぜ刺繍が好きなのか尋ねてみると「刺繍は自由度が高く、自分にとって一番クリエイティビティを刺激されるもの」と教えてくれた。服作りはある程度パターン化され計画性が求められる一方で、刺繍は世界中のありとあらゆる技法から自由に組み合わせることができる。手を動かして一つのことに没頭することで、ストレス発散にもなっているんだとか。針と糸と布さえあればできる手軽さも、彼女にフィットしているそう。
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友達のためのhandemade
元々、家族や友人のために自分の手で作った何かを贈りたいという思いから刺繍でもの作りを始めた。日常的で愛着のあるデザインから一人のための特別なデザインまで、篠塚さんのアイディア・思いが詰まった刺繍は、まるで手紙を読むような心地良さがある。
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作る時に大切にしていること
篠塚さんがもの作りをする時に大切にしていること。
それは「相手を想像しながら作ること」今回Tシャツを製作する上で、大迫選手のインタビューやyoutubeを見て本人が放つ言葉・姿勢から『強くしなやかでありながら芯のある人』という印象を受けたという。そして、黒い糸で強さを表現し、しなやかさと芯のある一面を強調するように一本の線で細くまっすぐ描く図案が完成。「これを着る人もランナーだったら、左袖にいるミニ大迫選手と一緒に走ってる感じがかわいいかなと思って(笑)」遊び心も織り交ぜつつ、届ける一人一人を想像しながら刺繍で表現することを楽しむ篠塚さん。「大勢に向けた消費的なものではなく、自分の好きが響く人を喜ばせるものづくりをしていきたい」これからを語る彼女がときめいていて、春の訪れのようなワクワクが伝染した。
Instagram @studio____san
文章:小川ちひろ
写真:金子桃子
インタビュー:小川ちひろ