ARTIFICIAL SENTIMENT DRIVE
今回の作品はiPhoneの画面をスクリーンショットした画像を用いたものです。
一連の写真に収められた風景を訪れた事はありません。縁もゆかりも無い土地と言えます。しかし、日常で利用するマップの中には常に「存在」しています。マップにピンを落とした先には、まるで私の視点や「存在」があったかのように。この風景写真はAIカメラを装備した車が淡々と記録した膨大なデジタルシグナルですが、その中には風景写真として成立する瞬間があり、根拠のないナラティブが再生され、そしてそれらへの共感を持つ自分もいたのです。空間にある複数のシグナルを可視化したものが写真であるように、無作為なシグナルにも私の感情を寄せることができると。
文章:山内聡美
©Satomi Yamauchi & GALLERY 360°
2022年3月10日ー19日 12:00 – 17:00
渋谷区神宮前3-1-24 ソフトタウン青山1F
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山内聡美・写真家
1985年神奈川県生まれ。幼少期の8年間をアメリカで過ごす。2009年よりフォトグラファーとして活動開始。クライアントワークと並行して、自身の作品制作も精力的に行っている。8歳まで暮らしたアメリカ/フロリダ州の小さな町ベロ・ビーチを21年振りに訪ね、撮影した写真展 this must be the place (2014) を360°にて開催。その続編として、同じくフロリダ州にあるディーズニーワールド内に存在する、ウォルトディズニーが作った理想的なアメリカの住宅街を題材にした写真展 celebration (2015) を360°にて開催した。パームツリーをモチーフとした南洋幻想を題材にした post palm tree (2017) から約5年ぶりの個展となる。
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